選考委員長(洋画家・東京芸術大学名誉教授・文星芸術大学副学長)

大沼映夫

プロフィール

1933年生まれ。東京都出身。洋画家・東京芸術大学名誉教授・文星芸術大学副学長。
60年東京芸術大学美術学部油絵科卒業、62年同専攻科修了。60年国画賞を受賞、62年国画会会員に。63年オランダ政府給費学生としてアムステルダム王立美術学校入学、71年まで滞在、帰国後、愛知県立芸大講師、76年東京芸大助教授、83年より美術学部絵画科教授として現在に至る。“トランプ”や“大和”を題材に作品を製作し、個展やグループ展などを開催、85年東郷青児美術館大賞、88年宮本三郎賞など受賞多数。作品に「月の肖像」、「大和思考」などがある。

第11期 講評

今回の選考では、各国・地域の作品群のレベルが向上していて、大変苦労しました。
前回までは充分な画材もなく、あまり絵を描くような環境ではなかった東ティモールの子どもたちの作品も、今回はそれなりに構成力、アイディア、丁寧さが加味され完成度の高い作品になっていて、新しい方向性を示唆しているようで安心しました。また、バングラデシュやブータンなどは、深々とした強い色彩で地域のお国柄が充分に表現されています。パキスタンの定規で直線や曲線を引いたような線描の作品は、実に近代的な仕事だと思います。そして日本作品は、清潔で画面のすみずみまで絵の具が塗り込まれて、破綻があまり見当たりません。
これらアジアの子どもたちの絵日記は宝の山です。ひとつの絵日記の中にいくらでもアイディアが詰まっているからです。
素直で純粋な心、生き生きした感情表現に感動と羨望で頭が下がりました。