委員(漫画家・大阪芸術大学教授)

田中満智子

プロフィール

1948年生まれ。大阪府出身。マンガ家、大阪芸術大学教授。
高校在学時に「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞を受賞。その後、子供から大人向きまでジャンルを問わず幅広い分野で作品を発表し、50年に渡り500タイトル近くの作品を描く。2006年に全作品及び文化活動に対し文部科学大臣賞、2010年文化庁長官表彰、2013年度『マンガ古典文学 古事記』古事記出版大賞太安万侶賞、2014年外務大臣表彰など受賞。代表作に『アリエスの乙女たち』『海のオーロラ』『あすなろ坂』『愛人たち』『女帝の手記』『ギリシア神話』『旧約聖書』『古事記』『天上の虹』など多数。
現在、公益社団法人日本漫画家協会常務理事、一般社団法人マンガジャパン代表、NPOアジアマンガサミット運営本部代表、大阪芸術大学キャラクター造形学科学科長などほか、創作活動以外にも各方面の活動に携わる。

第12期 講評

アジアの子どもたちの日常が本人たちの視点で描かれている絵日記は、それぞれの地域の子どもたちの「幸福のめやす」をうかがい知ることができました。多くの地域で宗教行事が子どもたちの日常の大切なイベントになっていることは、日本人である私には興味深いものでした。

今回特に感じたのは、子どもたちにとって「環境問題」が大きなテーマになっていること。おそらく、どこの国・地域でも教育の場で環境問題を取り上げる機会が増えているのではと察しますし、周囲の大人たちの話題になる事も多いのだろうと想像できます。

かつては、日本でも環境の問題は二の次でした。経済発展と成長の副作用で発生する環境汚染の問題を、未来をになう子どもたちが真剣に受け止めているのは頼もしいことです。

国により絵の表現方法、例えば使用する画材、曜日で日記を纏めていること、風景主体か人物主体かなどの構図の取り方などに、パターンが見てとれます。これは現場の教師の指導によるものか、それとも日記のお手本みたいなものがあり、それにそって描いているのか、真相は分かりませんが、国による表現の違いが興味深かったです。

いずれにせよ、どの作品にも「自分の感じ方」をせいいっぱい表現しようという気持ちがあふれていて、楽しく見せていただきました。

印象に残った国:モンゴル